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ジャガーブランドのプレステージバージョン　ソブリン　中古車

ジャガーにソブリンのネーミングが登場したのは1986年のXJ-6、巷では俗にXJ40といわれるシリーズのフルモデルチェンジであった。通常のXJ-6との差はもっぱら機能ではなく装備品の差で、標準でコノリー社の本革や専用のアルミホイール、オートエアコン、パワーシートを装備し、初期型では角型のヘッドランプが差別化のための大きなアイコンとなった。このXJ40タイプは全長が5mm近くある大型車であるのにも係らず、室内はさほど広いわけではなく、イギリス車ならではのタイトで濃密な空間を作り出していた。XJのダッシュボードは伝統の切り立ったパネルにより構成されており、ドイツ車に比べると小ぶりのスピードメーター、タコメーターがなんとも印象的なコックピットを形成していた。当然パネルにはウォルナットの上質なパネルが職人の手で造作され、これまた伝統のイギリス車らしい雰囲気を醸しだしている。シートやドアトリムには同色のコノリー社の本革が使用され、こちらもジャガーのプレステージを感じる繊細な職人仕上げが感じられる。


XJ40のもう一つの特徴は独特の走りである。猫足と呼ばれる独特の足回りはドイツ車と一線を画す乗り味を与えてくれ、当初搭載された直6DOHCエンジンはサルーンでありながら何のストレスもなく良く回り、ここ一番には強力な加速をもたらしてくれる。シフトはこれまた伝統のJゲートとよばれる形でパーキングに入れない限りは左側のゲートで切り替えることができる独特の形をもっていた。このXJは2003年に大幅なモデルチェンジを行い、ソブリンという名前はこの時点で姿を消すが、それまでの17年近く、ジャガーを代表するグレードネームとして、その座を脈々と築いてきたのだ。さて、中古車市場にはこのXJシリーズは大量に出回っており、豊富なタマの中から上質な一台を見つけ出すことが可能であろう。中古車としてはほぼ価格も変らなくなるので、ぜひソブリンで珠玉の一台をさがしていただければと思う。本革仕様のもっともこのブランドらしいモデルが今ならかなりリーズナブルな価格で手にすることができるのだから。