メルセデスベンツS320最終モデル 右H 黒革

W140最終モデル”S320”入庫です。

1990年代までのメルセデスベンツは高級車メーカーではなく、実用車をより安全に作ることだけを考えていたメーカーでした。実用車として人や環境に優しく作ることに自分たちの技術を集結していたメーカーでした。

それが大きく変わったのはこのW140からでしょう。

もちろんメルセデスベンツの哲学である環境や人に優しい車を作る理念はありますが、それと共にメルセデスベンツが考える上質な車とは？という問いに、W140で一つの回答をしたのだと思います。

有名なのは遮音性を高めるために、ドアに付くガラスが二重合わせガラスを採用（ちなみにこれは遮音性だけでなく、結露を防止する目的もあったと言われています）。
そして各所にそういった過剰とまで言われた、重厚感のある車作りにより車両重量は約2ｔ近くの超巨大な車になりました。

けれど実際に乗ってみると軽快でトルクフルなエンジンと相まって、想像以上に軽快に走ってくれます（S320の話です）。

今の時代ではこんな車を作ることは許されないでしょう。
硬質な外板パネルの質感や、室内の本革シートや内張りの重厚感。当時のメルセデスベンツというメーカーらしいその作りに、今もなお私たちを楽しまさせてくれます。

今回入庫しましたS320については入庫後、スタッフでしっかり現在のコンディションチェックを行っております。
現在も非常に良好なコンディションのこのS320を当店ではさらに安心してお乗りいただけるように再度徹底整備を施してから納車させて頂きます！
各種消耗部品は油脂類・フィルター類含めて全て一掃して交換を実施。そのほか足廻りや各種ブッシュやブレーキ周りなど、再チェックをして交換時期が来ているものについては全て新品にて交換後納車。またそれ以外にもW140特有のウィークポイント対策箇所をアンティークガレージにて整備を実施いたします。
こういった作業を終えた段階で試乗を繰り返し、コンディションがW140本来のものに戻るように仕上げて参りたいと思います。