中古車現状渡しの罠

中古車センターで販売されている中古車で「現状渡し」となっているものがあると思います。これってどういうことなのかご存知でしょうか?

「現状渡し」というのは今その場にある中古車を購入いただく場合、そのまま渡しますという意味のものです。「えっ、普通その場にある中古車をそのまま販売しているんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。「現状渡し」になっていない中古車は、購入者が決定した後、整備をきちんと行い、大抵の場合が何ヶ月もしくは何千キロの保障をつけて販売しています。ではなぜこの2通りのパターンがあるのでしょうか?

これは、中古車センターの販売方法、もしくは姿勢や考え方によるものが大きいと思います。まず、購入者が決定後に整備を行う場合には、その分の値段を上乗せすることができます。というよりそれだけのサービスに対する対価としてもちろん販売側は請求します。それは中古車センターのメリットではあるのですが、その分購入者のチェックや見方も厳しくなります。お金をかけてサービスを受けているわけなので当然の権利と思うわけです。つまり、整備を行うことによって、その他の部分もよりきめ細やかなサービスをしていかないといけなくなります。

では「現状渡し」の場合はどうでしょうか?現状渡しというのは、売買契約が成立した時に、そのままの状態で販売しますということです。つまり「整備費用をかけずに安く販売します、でもその後どうなっても知りませんよ、よく確認して自己責任で購入してください」というふうに言っているようなものです。ちょっと大げさな表現ではありますが。

現状渡しは、表向きの安さをアピールする時に役立ちます。例えば「車体価格以外の諸経費が安い、他店と比べてみてください」といった広告を見ることがあると思いますが、そういった場合に、この現状渡しになっていることも多いのです。それに購入者もこの現状渡しの意味がよく分かっていないというケースも多く、表記していれば問題はありません。後は購入者が質問するかどうかも問題です。

こういったことから、自分自身で整備ができる方、もしくは知り合いに車の整備工場経営者がいるなど、自分自身で車を整備できる環境があり、車を買いたいだけというのであればいいかもしれません。しかし、その場合でも修復歴の有無などしつこいくらい確認した方がいいと思います。誠実でない中古車センターも現状渡しを行っているところで多くなっていますので。