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たまさか兵庫県伊丹市内で中古車フェアを見かけた時のこと

ほんとうに偶然だったのだけど、兵庫県伊丹市でお出掛け中に中古車フェアを見かけたとき。昔好きだった人が乗っていた車の色違いを見つけてしまった。 別段、珍しい車じゃない。普段だってたぶん、気付いていないだけでしょっちゅうすれ違ってるんじゃないかと思うのに、その時だけはなぜかその車がぽんと目に入ってきて、それがきっかけで色んなことを思い出してしまって、そこからしばらく動けなくなった。 色も違うんだから本人が乗っていたはずもないのに、なんでなんだろう。 その車が気に入ったふりしてしばらくそこにいた。 もうずっと昔のことだし、こんなに思い出したことなんて今まで一度もないから不思議でしょうがなかったけど、少しだけ良かったのは、別れてから辛くて寂しくて、思い出さないように記憶に蓋をしてたのに、今、思いがけず記憶が溢れ出しても、あの頃みたいな辛さがなくなっていたこと。 もう涙も出ないし、車を見たくもないなんて、ちっとも思わないこと。 これは、なんなんだろ？ 時間が経ったから平気になったのか、あの後、他にも好きな人ができたり、また別れたりしてるうちに、あれはあれで良いところもあったのかもって思ったりしたせいで、いつの間にか立ち直ってたのかな。 懐かしいとさえちょっと思っちゃった。戻りたくはないけどね。 それにしても、あれから何年も経ってるのに、まだこの車売られてるんだね。値段を見たらそんなに高くないから、さすがに人気は落ちてるのかもしれないけど、まだ買う人がいるから売られてるんだろな。 車が嫌いなわけじゃなくて、嫌な思い出がごちゃごちゃに混ざって残ってただけだったんだって、冷静な気持ちで、車と記憶を切り分けられた気がする。 車が悪かったんじゃないもんね。乗ってる人が悪かっただけ。 でも、あの経験のおかげで今は少しマシな相手を選べるようになった気もしてるから、痛かったけど勉強させてもらったっても言えるのかもしれない。 皆こうやって、過去を乗り越えて行ってるのかなぁ。それができたら、少しは成長出来たと言えるんだろうか。