イギリスの代表的ミディアムサルーン　ローバー623　中古車

1993年、800シリーズと400シリーズの間を埋めるべくデビューしたのがローバー600シリーズで、いわゆるDセグメントカーと呼ばれるものである。一部のコンポーネンツは当時提携関係にあったホンダから提供を受け、国内でのアスコットイノーバに使われていたメカニズムがキャリーオーバーされている。このクルマのボディは1994年のブリティッシュデザインアワードを受賞し、英国車らしい雰囲気を醸成するデザインとして人気を得ることとなった。日本向けのモデルにはすべてホンダ製のエンジンが搭載され、この623には2.3リッターDOHC16バルブのユニットが用意された。サスペンションは前後ともにダブルウィッシュボーンが採用され、繊細な乗り味を実現している。日本国内では1994年より当時のセールスチャネルであったローバージャパンが販売を開始し、他の外車に比べて比較的安く設定した価格も功を奏して立ち上がりから好調なセールスを記録することができ、英国車としては異例の好成績を収めている。


600シリーズは最終的に99年まで国内では販売されることとなる。623SLiはシリーズの最上位機種で、イギリス車らしく本革シート、ウッドパネルが標準装備となりグラスサンルーフもオプションで選べるようになり価格も当時の販売会社によるフェアプレー政策により300万を切る設定とされたことが好調な販売を起因することとなった。このクルマも国内ではアコードやアスコットと共有するコンポーネンツのためにクルマとしての性格は良く似たものであったが、細かな味付けやエクステリア、インテリアのディテールをローバーらしく仕上ることでかなり性格の異なるクルマとしての座を築くことになった。とにかくこのモデルは国内では大変よく販売され、中古車市場にも多くのタマが流入することとなった。すでに生産中止から10年以上の期間を経過しているため、さすがに今では現存するモデルも限られてきつつあるが、それでも探せばまだまだ市場で見つけ出すことができるモデルとなっており、オールドカーファンにはうれしい状況だ。